日本の色の原点は、全て自然の中にあると言われています。花鳥風月という言葉に代表されるように、四季の花々や鳥たち、そして誰もいなくなった時間や季節によってその色を変える「太陽」や「雲」「空」など、古来からその自然の色を大切にしてきました。

平安時代、階位によって身に着ける色が決まっていました。着物を見れば、その色からどんな身分の人かがすぐにわかったそうです。

色を染めるための材料や、その分量などをマニュアルにしたのが「延喜式」と呼ばれるものです。当時は全て草木や樹木、花や土など自然のものを煮つめて染料にしてきました。

薪をどのくらい使うかなど、火力の目安になることも書かれているとのこと。すごいですね!

■聖徳太子の時代は、濃紫が一番格が高い色

当時紫色は染料を採るのがとても難しく、一部の貝から採る紫色の染料か、一旦赤を染めてから黒をかけるなど、大変手間がかかったそうです。そのためなのか、紫色はとても高貴な色と定められたようです。その後様々な色がその冠位によって定められました。

現在の皇室においても、天皇陛下のみが御召しになられる黄櫨(こうろ)と呼ばれる色が代表的です。ハゼという植物から採る色で、金色がかった茶色で、大変高貴な色です。

■自分の身分より上の色は身につけてはいけない?厳しいルール

当時は色でその人がどんな位にあるかを判断していたため、身に着ける色に厳しいルールがありました。「禁色」と言って、自分よりも上の位の色は身に着けてはいけませんでした。どんな色の着物を着ても良い現代から考えると、本当に驚きますね。

■他の国ではどんな色が高貴なの?

一方で、黄色は仏教や儒教世界では最も高貴な色とされています。仏教僧が身に着ける衣の色は、ウコン色に似た黄色。特に中国では黄金を表す黄色が最高の色とされていたそうですが、中世ヨーロッパでは黄色が一番低位の色でした。諸説ありますが、キリストを裏切ったユダが黄色の衣服を着ていたことに由来するという考えが一般的のようです。一方で、黄色は仏教や儒教世界では最も高貴な色とされています。

色が持つ意味を考えると、本当に奥深く楽しいものです。現代は「似合う」「似合わない」ということで身に着けるものを判断しがちですが、色のもつ力や格を考えながら選ぶ、というのもありかもしれません。

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