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京友禅を知ると、着物がもっと楽しくなります!2017.11.11

京友禅を知ると、着物がもっと楽しくなります!

着物と切っても切れない「友禅」。聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、結局のところ、「友禅」って??今日は特に有名な京友禅のご紹介です。

そもそも友禅って何?

友禅染は、着物に模様をつけるための代表的な技法のひとつで、京都で作られる「京友禅」、金沢で作られる「加賀友禅」、東京で作られる「東京友禅」が三大友禅と呼ばれています。

最初に友禅が生まれたのは、江戸元禄時代といわれています。それまでは絞り染めに刺繍や箔を施したものが主流でしたが、華美すぎるものは贅沢だと、幕府から禁止令が出されてしまったのです。その技法に変わるものとして、京都祇園の扇絵師「宮崎友禅斎」が、紙の扇面に描くことで培った画風を、白生地に染め出す技法を生み出しました。これが「友禅」の誕生です。のちに禁止令も解かれたことで、友禅と友禅がはじまる前にあった様々な技法がミックスされ、京友禅が花開きました。

平たく言うと、「友禅」というのは「白生地に手で描いたもの」ということになりますね。観光地で見かけるお土産物に「友禅」と書いてあるのは、「友禅染」でよく使われる柄のことを「友禅」と呼んでいるような気がします。

明治時代には、型紙を用いた型友禅が考案され、量産が可能となりました。これによって華やかで美しい友禅染の着物が民衆に広まるきっかけとなります。区別するために「手描き友禅」と「型友禅」という呼び方が一般的になりました。また、技術の進歩により、最近はインクジェットでプリントした着物も多く出回っていますが、これらはもはや友禅とは呼べませんね。

京友禅が絢爛豪華なわけとは

さて、京都で生まれた京友禅には約20もの工程があり、工程ごとの専門家による「分業制」なのが特徴のひとつです。模様のデザインや下絵を描く。糸目置、色挿し、糊伏せ、地染、蒸し、水洗、絞りや刺繍、金箔などの装飾、更に補正や地直しなどの仕上げまでを含め、それぞれの技術の集大成ともいえるでしょう。一方で石川県の加賀友禅は、一人の創り手がほとんどすべての工程に携わります。

京友禅は華やかで絢爛豪華な印象です。友禅の上に絞り染めをあしらったり、刺繍をほどこしたり、金銀箔を配したりと、装飾も贅を尽くしたものが多いですね。また、作風は写実的なものではなく、御所車や扇面、熨斗目模様など、公家の女性たちの生活に根付いたものや、吉祥文様など図案化されたものが多いです。京友禅が華やかな理由は、公家文化が色濃く反映され、自由な図案や装飾が許されていたからと言えるでしょう。

ひとつの工程が終わって次の工程に進む品物を風呂敷に包んで歩く、着物に携わる人たちを京都市内の街なかで見ることができます。着物業界を支える人々を目にするのも風情があって楽しいものですよ。

様々な人々の「手間」や「技術」が詰まっていることを思うと、着物を見る目が違ってきませんか?着る私たちも、大切に着たいですね。
今日は京友禅をご紹介しました。次回は石川県の加賀友禅をご紹介します。お楽しみに!

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おかもとたかこ

神楽坂、多千花きもの着付け教室主宰。理論的でわかりやすい個人レッスンが人気。海外在住の生徒さんも多い。

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