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着物の京友禅と加賀友禅の違いについてご紹介します2018.05.12
友禅と言えば、美しく繊細に染められた柄が印象的ですが、友禅染は産地によって名称が異なります。
例えば、京都で作られたものは京友禅、金沢で作られたものは加賀友禅、東京で作られたものは東京友禅といい、日本三大友禅として知られています。
「友禅染と言うけれど、京友禅と加賀友禅の違いって?」
「京友禅と加賀友禅、どちらの方が50代に合っているのかしら」
など、2つの違いについて知りたい方がいらっしゃるかもしれません。
今回は、聞いたことがあるけれどいまひとつわからない。。という方に向けて、友禅染についてご紹介した後に、京友禅と加賀友禅についてご説明したいと思います。
【友禅染とは】
絹織物の生地を使って、その上に優美で精巧な柄や文様を彩ったものです。友禅は日本の伝統工芸品に指定されており、伝統的でたくさんの国から評価されている友禅染は、日本人として誇りを持つことができる文化と言えるでしょう。
大胆なデザインや精緻な文様が特徴の友禅の起源は「宮崎友禅」という京都に住んでいた扇絵師であるからです。
扇絵師らしいデザインをすることによって人気を博し、当時は宮崎友禅の描いた絵柄集が流行ったのです。扇子に絵を描く仕事をしていた宮崎友禅は、キャンバスを扇子から白い反物に替えました。彼の名前をとって、「友禅」と言われるようになったのです。
彼が考案した図案は、当時の人からするとおしゃれで他にはないデザインだったのでしょう。
今で言うところのファッションリーダーのような存在だったのかもしれませんね。
友禅と簡単に言っていますが、白い生地が友禅染となるまで、数多くの工程と職人さんを必要とします。つまり、多くの手間と時間がかかっているのです。
そのような友禅を着られるということは、日本人として、とても贅沢なことなのかもしれませんね。
現在はインクジェットプリントで安価に創られる着物と区別して、「手描き友禅」と呼ぶことが多くなりました。インクジェットプリントと手描きでは、色の奥行きが違い、プロが見るとすぐにわかります。そこには、機械の超えられない一線が存在していると言わざるを得ません。
【京友禅の特徴とは】
京友禅の大きな特徴は、刺繍や金箔を使った豪華な装飾と、洗練された図案にあります。
図案化された絵柄とは、熨斗目や御所車、几帳、七宝などのことですが、江戸時代から高く評価を受けている琳派の文様をモチーフにしていることもありますし、有識文様と言って江戸時代以前から受け継がれている文様を取り入れていることもあります。
そのような芸術的に洗練されている文様を使い、染め、絵柄、金彩、刺繍、絞りなどそれぞれの工程を取り入れ、「これでもか!」と言わんばかりの精緻な技術の結集品とも言える京友禅。ひとえに公家文化があったからだと言われています。
絵柄だけでなくその色彩も京都友禅の特徴で、京友禅は加賀友禅と比べて多彩で鮮やかなことで知られています。
全て分業で成り立っているのも、京友禅の特徴と言えるでしょう。全ての工程がうまく調和しあって京友禅独特の上品なものとなります。金彩と染と刺繍のバランスが崩れてしまうと調和のとれた美しさを失ってしまいます。
金彩や刺繍がない加賀友禅と隔てる京友禅の美しさは、全ての工程の「調和」にあると言えるかもしれません。
【加賀友禅の特徴とは】
加賀友禅は、細やかな絵柄と「加賀五彩」といわれる深みのある色合いが特徴です。
金箔や刺繍を使わず、上品な色使いや繊細な絵柄が加賀友禅の優美さを作り出していて、50代の女性にも絶大な支持があります。
京友禅は、その絵柄を図案化することで洗練した文様を用いますが、加賀友禅は日本画のように四季の動物や植物を写実的に写し出してきました。
そこには自然のありのままの美しい姿を描き出し、葉っぱの虫食いまで描きます。
京友禅と異なり、全ての工程は加賀友禅作家ひとりの仕事によります。そのため、落款と呼ばれる、作家のサインが必ず入っているのも特徴です。
加賀友禅の作家の基本と言われているのが、「外に出て写生をすること」真夏も真冬も、暑さ、寒さをいとわず外に出て写生をすることで、自分の自然を描写する感性を養っているのですね。
人物や人形をモチーフにする作家さんよりも、自然の風景をモチーフにする方が多いのも加賀友禅の特徴かもしれません。
そうした作家さんがいらっしゃるからこそ、私たちは自然のありのままの美しい姿を身に纏うことができるのでしょう。
【まとめ】
京友禅と加賀友禅の違いはたくさんあり、どちらが良いというわけではない、というのがお伝えできたかと思います。
きらびやかで絢爛豪華な京友禅、優美で繊細な加賀友禅、それぞれお好みがあるかと思いますが、
一着一着にそれぞれの作家さん、職人さんの想いがつまっているのは同じです。50代の女性にとって、創り手の息吹を感じられる品物をまとうのは、着物を着る楽しみともいえるでしょう。
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おかもとたかこ
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