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粋なお着物好きの女性の方へ|着物の江戸小紋の歴史についてご紹介します2018.06.02

粋なお着物好きの女性の方へ|着物の江戸小紋の歴史についてご紹介します

みなさんの中には、染物の着物の柄の中でも、江戸小紋をご存知の方が多いと思いますが、
 
「江戸小紋ってどうしてそんなに小さい文様なのかしら」
「いつから江戸小紋が始まったのかしら」
などと、江戸小紋を詳しく知りたいとお思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
江戸小紋は、遠くから見ると一色に見えるほど細かい柄が特徴的です。
文化としては、浮世絵に江戸小紋を着た女性が描かれていることから、古くからたくさんの人に親しまれていたことが窺われます。
 
今回は、「江戸小紋についてもっと知りたい」とお考えの方のために、江戸小紋ができた時代背景や、どのような種類があるのかをご紹介したいと思います。
 

【江戸小紋ができた時代背景とは?】

 
江戸小紋ができた時代は、徳川幕府が政権を握っていた江戸時代でした。
江戸幕府は毎年交代で各藩の大名を江戸に住まわせ、江戸には日本各地から大名が集まっていました。
 
大名は武士の正装である裃姿をしていました。裃には、どこの大名か一目で分かるように紋が染め抜かれていましたし、将軍家をはじめとして各藩に小紋も決められていました。
その決められた文様を「定め小紋」や「留柄」と言って、定められた藩の人だけが身に纏うことが許されていました。
 
その裃は現在で言うところの制服のような役割をしていたようです。
江戸幕府と共に育まれた江戸小紋は、江戸時代中期から庶民の間にも広まり、様々な人に愛されるようになりました。
 
当時は、「江戸小紋」ではなく「裃小紋」として知られていました。
江戸小紋という言葉ができたのは昭和30年という、比較的最近のことです。
江戸小紋という名称がつけられたのは、染めの技術継承者の小宮康助氏が人間国宝に指定を受けた際、委員会が他の顧問と区別するために名付けました。
 
現在は一般的に「江戸小紋」という名称が知られており、昭和53年には江戸小紋として重要無形文化財に認定されています。
 
江戸小紋は型染めであり、「伊勢型紙」を使って職人さんが着物を染めていきます。
伊勢型紙とは和紙を加工したものに彫刻刀で細かな柄を切り抜いたもので、江戸小紋を染めるには欠かせない道具です。
 
伊勢型紙の型彫り師の職人さんは江戸小紋の細かな文様を彫っていき、精緻な柄を形作っていきます。
江戸小紋は様々な職人さんの手によって作られているのです。
 

【江戸小紋の種類とは?】

 
江戸小紋にはこれから紹介する江戸小紋三役、五役と称される文様に加え、様々な独創的な文様があります。

江戸小紋三役、五役の文様は格が高く、家紋をつけることによって、準礼装の格式のある着物として、入学式や婚礼の場で着ることができます。

一方で、遊び心あふれる文様、江戸の粋を感じさせるものなどは着る人を心行くまで満足させるでしょう。

 
≪江戸小紋三役≫
・鮫小紋
江戸時代には紀州徳川家の文様として定められていました。
紀州徳川家は、伊勢型紙の産地を統治していたことから、伊勢型紙は紀州藩の庇護を受けて発展していきました。
鮫小紋は鮫の肌のような点の半円形が重なっている文様です。
鮫小紋は半円形の点が集まって作られているので、動きに合わせて着物に光沢が出ます。
 
 
・行儀
江戸時代には仙台藩伊達家の定め小紋でした。
細かな点が斜めに規則正しく並んでいる文様が、行儀という江戸小紋です。
規則正しく並んでいることから、行儀という名称と礼儀作法を尽くすという意味を持っています。
 
・通し
江戸時代には信濃藩戸田家の定め小紋でした。
その文様は横と縦にずらっと並ぶ点が印象的な江戸小紋です。
その単純な文様ゆえ、染める際に職人技があまり必要ない簡単な文様のように思われますが、単調な点ほど職人技が必要とされる文様です。
通しを染め上げることができるのは、熟練した職人さんだけなのです。
 
≪江戸小紋五役≫
・万筋
この文様は縦縞の柄で、江戸時代から現在も人気のあるものです。
万筋の文様は千筋よりも細かい縦の柄が染められており、万筋の中でも一寸(3㎝)の幅に19本、20本の縦縞が入っているものを「毛万筋」、23本の縦縞が入っているものを「万筋」、26本のものを「玉縞」といいます。
 
・あられ
この文様は江戸時代には薩摩津島藩の定め柄でした。
ドット柄に近い模様が印象的で、現代でも人気のある柄です。
さまざまな大きさの点が浮いているようなやわらかな雰囲気の江戸小紋の柄です。
 

【まとめ】

 
江戸小紋の着物は現代でもとても人気が高く、多くの人から支持されています。
今回ご紹介した以外にも「お召十」、「梅鉢」のように江戸小紋の種類は他にもあり、知れば知るほど世界が広く、深く、美しいことが分かります。
 
江戸小紋は遠くから見ると、一色に見えますが近くで見ると精巧な文様が並んでいます。
素朴な着物に見えても、とても洒落ていて、洗練されているのが江戸小紋の特徴だと言えます。
 
また、江戸小紋のような精緻な柄を作り出すために伊勢型紙を作る職人さんから、着物を染める職人さんなど、さまざまな方々が携わっています。彫る技術も染める技術も熟練した技が必要なのです。
 
伝統を受け継ぎ、職人技を継承される方がいらっしゃるからこそ、江戸時代から遠く離れた今日でも私たちが江戸小紋を着られるのです。
着る人の動きに合わせて美しく輝く江戸小紋の着物を受け継いでいきたいですね。

 

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おかもとたかこ

神楽坂、多千花きもの着付け教室主宰。理論的でわかりやすい個人レッスンが人気。海外在住の生徒さんも多い。
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