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「染」と「織」って何がどう違うの?初心者さん向けに書いてみました2017.10.19

「染」と「織」って何がどう違うの?初心者さん向けに書いてみました

着物を分けるときに、「染」と「織」のふたつに大きく分かれる、というのを耳にした方もいらっしゃると思います。どんな違いがあるのか、着物初心者さん向けに基礎的なことをご紹介します。

「染」と「織」をざっくり解説します!

本当におおまかな分け方ですが、白い糸で織った白い生地に、様々な技法で「染めた」ものが、「染物」と呼ばれます。一方で、糸を先に染め、色や模様が最初から施された糸で織ったものを「織物」と呼びます。(例外もあります)

「染物」は、その質感から、別名「やわらかもの」と表現されることがあります。とろんとした柔らかい質感と、優雅さ華やかさから、フォーマル着物の「留袖」や「振袖」をはじめ、お洒落着の「小紋」まで、幅広い分野で重宝されています。

染めの代名詞ともいえる友禅には、「手描き」や「型染め」などの技法に、金箔や刺繍を施したものなど、色数やデザインは無限にあるのが特徴です。

日本では古くから養蚕が盛んにおこなわれ、蚕から採れる生糸が貨幣価値をもち、献上品として使われてきました。そのことからも、生糸から作られる白生地も同様に高級品として扱われた歴史があります。

その生糸を採ったあとの「くず糸」を手で紡いで糸にし、自分たちが着るものとして再生させたのが織物のはじまりと言われます。これらは「紬」とも呼ばれ、もともと人々の生活に根付いていたために、日本全国を見渡せば「紬」の産地は数多く見られます。「織物」の着物は、概して、自然で素朴な雰囲気が特徴です。

織物は、染物以上に奥深いと言われます。その理由は、産地が日本全国に散らばっていて、その土地で独自の進化発展を遂げていることも理由のひとつでしょう。例えば、石川県の「牛首紬」は、紬の中では珍しく白生地で織られていますし、鹿児島、奄美地方の「大島紬」は紬糸ではなく、生糸を使って織られています。鹿児島では大島紬の振袖があると知ったときは驚きました。

また、絹以外にも、麻や苧麻など、自生する植物の繊維を加工した糸で織ったものは「上布」と呼ばれ、夏の高級着物として有名です。

着物と帯のコーディネートでは、「染」の着物には「織」の帯、「織」の着物には「染」の帯という組み合わせが一般的ですね。初心者だと、染とか織が全くわからないという方が多いですが、着物を見ることに慣れるにつれ、こういったルールを踏まえながら、TPOに合わせて自由なコーディネートができるようになります。

「最初はどちらを選んだらいいですか?」正解は・・

「染」と「織」どちらを選んだらいいのか、、悩みますよね。

普段のちょっとしたお出かけに着物を着たい、という方には断然紬がおススメです。なんといっても着付けがしやすいというのが最大のポイント。染め物のつるんとした質感に対し、紬は生地に凹凸があるものが多く、初心者さんにとって着付けがしやすいのです。

着物好きの仲間うちで、よく話題になるのが「どっち派?」というもの。それは「染の着物」が好きか、「織の着物」が好きか、ということで、好みがどちらかに分かれることが多いようです。華やかなものがお好きな方は染め物、ナチュラルなものがお好きな方は織り物、というふうに分かれるのが面白いですね。

お洋服とは違って、着物は「型」が決まっていることで、色や柄だけではなく、生地のもつ質感や糸から生み出される印象に左右されるもの。好みを知ると、着物がどんどん楽しくなりますよ!

 

多千花きもの着付け教室は、神楽坂にある初心者専門きもの着付け教室です。

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おかもとたかこ

神楽坂、多千花きもの着付け教室主宰。理論的でわかりやすい個人レッスンが人気。海外在住の生徒さんも多い。

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