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加賀友禅の秘密に迫ります。色で表現した究極の自然美とは?2017.11.19

加賀友禅の秘密に迫ります。色で表現した究極の自然美とは?

前回の京友禅に引き続き、今日は加賀友禅を解説します。

そもそも友禅って何?

友禅染は、着物に模様をつけるための代表的な技法のひとつ。京都府で作られる「京友禅」、石川県で作られる「加賀友禅」、東京都で作られる「東京友禅」が三大友禅と呼ばれています。友禅についてはこちらで詳しく解説しました。

友禅の祖は、京都出身ではなかった!

加賀友禅の歴史は、安土桃山時代の加賀の国独特の染め技法「梅染」にさかのぼります。江戸時代中期、京都の町で人気の扇絵師であった「宮崎友禅斎」が晩年、故郷金沢の御用紺屋棟取の「太郎田屋」に身を寄せ、扇面のデザインで培った斬新な模様を用いた染物を創っていきました。彼に影響を受けた絵師が次々と誕生し、多くの名工を輩出しました。もともと同じ人物から生まれた染めの技法ですが、京友禅と異なる大きな点をいくつかご紹介しましょう。

加賀友禅の原点とは?

まず、加賀友禅の原点は、自然にあるということです。山をそのまま切り取ったかのような自然美にあふれ、写実的で絵画調の柄が特徴です。加賀五彩と言われる臙脂・藍・黄土・草・古代紫を基調とした落ち着きのある色に加え、最近は時代に合わせて明るい色も使われています。

京友禅と違い金箔や絞り、刺繍などはほとんど用いないのに、なぜ地味に見えないのか、その秘密は「色」にあります。外側から内側に向かってぼかす「外ぼかし」で立体感を、葉っぱが虫に食べられたあとを表現する「虫喰い」と呼ばれる独特の技法が散りばめられ、単調にならず、繊細な自然美を表現できるのです。

加賀友禅の作家の方々は、季節を問わず外で写生をし、美意識を磨いておられます。自然の美をどれだけ表現できるか、その挑戦こそが加賀友禅の美しさなのでしょう。決して金箔がなかったわけではありません。その証拠に国内で生産される金箔のほとんどが金沢で作られているのです。

京友禅には「作家」がいないのに、加賀友禅に「作家」がいるわけとは?

それぞれの工程ごとに専門家がいて、分業制をとる京友禅に対し、加賀友禅はほとんどすべての工程を単独で行うため、「作家」と呼ぶのが自然なのでしょう。京友禅にはほとんど見られない「落款」と呼ばれる、作家さんの証が入っていますよ。

余分な染料を落とし、発色を良くする「友禅流し」と呼ばれる工程にも秘密があります。元々は金沢市内を流れる浅野川で行っていましたが、今はその流れを再現した水洗場で友禅流しの作業をしています。この水の流れがとても大事で、弱いと余分な染料が落ちないし、強いと生地が傷んでしまう。この一見地味に見える作業もとても大事な工程で、この水洗に堪えるほどの品質の高い生地でないと、加賀友禅にはなりえないのです。

様々な技術を駆使した絢爛豪華な京友禅、色の濃淡だけで自然美を追求する優美な加賀友禅、あなたのお好みはどちらでしょうか?

多千花きもの着付け教室は、神楽坂にある初心者専門きもの着付け教室です。

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おかもとたかこ

神楽坂、多千花きもの着付け教室主宰。理論的でわかりやすい個人レッスンが人気。海外在住の生徒さんも多い。
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